2013年10月29日

歯車の設計

時計のような精密機器にはサイクロイド歯車が使用されることが多いですが、木時計スタジオでおすすめしている歯車はインボリュート歯車です。
サイクロイド歯車は、人類が歯車を使用し始めた初期から存在するもので、歯面がサイクロイド曲線になっています。触れ合う歯面の磨耗が一様で、滑り速度が小さいので磨耗に強くて、摩擦ロスが少なく、まさに小さな力で効率良く長期間使用される時計に適している歯車なんですが、弱点がひとつ。歯車同士の中心間距離をピタリと合わせないと、性能が発揮できず、結局ロスの多い機構になってしまう点です。
湿度や温度変化による伸縮や変形に耐えなければならない木製ギアには不向きです。
インボリュート歯車であれば、中心間距離は結構ラフでよく、適当に噛み合っていればスムーズに回ってくれます。また、歯元を太くして高強度にできるのも、木時計にぴったりのメリットです。でもゆくゆくは上級者向けってことで、サイクロイド歯車にも挑戦してみたいなと思います。

さて、インボリュート歯車には機械的特徴以外にもメリットが。それは図面作成が簡単な点。製造コストが安いなどの理由で最もポピュラーになったインボリュート歯車には、自動で図面を作図してくれる多くのサービスがあります。

gear_site.jpg

私がよく利用しているのが、カナダのwoodgears.caというサイトのGear template generatorです。歯数やピッチを数値指定することで、CADデータを自動生成してくれるすばらしいウェブサイトです。
ダウンロードできる形式はHPGL形式という聞きなれない形式ですが、Vectorソフトライブラリにて公開されているフリーソフト「NCコンバータ」を使用して、いったんGコードに変換してDXFファイルに変換することで、きれいな曲面の歯車図面を作成できます。この一連の操作、しばらくお世話になりそうです。
posted by pubrock at 20:45| Comment(0) | 木の時計

2013年10月21日

ボブ作り

ボブ(Bob)とは時計の振り子についている"おもり"の事です。素材としては木片を使う場合や金属を使う場合が多いですが、僕はもっぱら筒状の真鍮を使うことが多いです。すでに穴が開いているし、切る長さ次第で重さも自由自在。間違いないです。一本買えば何個も作れちゃいます。

今日は、ボブ作りの様子を。カットは通常の金のこぎりで行いますが、このとき「バイス」は必須です。手で抑えて金属棒を切ろうとすると、材料が刃にひっかかってめちゃくちゃ時間がかかります。大してバイスを使うと、5分の1くらいでカット可能です。だいぶ時間を節約できました。

bob1.jpg

そしてカット後のバリ取りでも節約しましょう。筒状材料の加工にはボール盤が便利です。僕が使っているのは、Power sonic社の変速ミニボール盤MDP-100です。変速機能が使えて、1万円を切る廉価モデルですが、木材加工やバリ取り程度の使用には十分です。刃先を下ろすレバーの動きでガタガタ感があったりチープ感はありますが、1日1穴も加工しないくらいの人には十分な機種かと思います。拙い道具ですんげーもんを作るってのもクラフトマンのかっこいいとこだったりしたりして。。

さて、加工に戻りましょう。カットした真鍮をチャック先端につけて電源オン!金やすりと上下レバーで調整しながら、ここが重要ですが、ゆーっくりゆーっくり削っていきます。手作業でやすりガリガリしてた頃と比べ、なんとスマートなんでしょうか。気持ちよくすらあります。バリ取りだけでは物足りず、面取りまでして、真鍮はキラーんと輝きました。削りたての金属材料ってなんて美しいんだ。

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安〜いボール盤であっても、ハンドドリルで無理やり加工するより垂直精度や加工深さ精度は桁違いに向上するでしょう。ミニボール盤おすすめです。
posted by pubrock at 19:33| Comment(0) | 木の時計